警備員ブルース日誌

【1日目】警備員になったら人生わり?将来が不安?現実と可能性

投稿日:2026年6月22日 更新日:


「警備員になったら人生終わりだよ」

そんな言葉を聞いたことがある。

警備員をはじめる当初、その言葉が頭の中をぐるぐる回っていた。

警備員以外、仕事がなかった。

50代終わりの頃、地方の宿泊施設の支配人を辞めざるを得ない状況になり、再就職先を探したが、なかなか見つからない。

配達ドライバー、テレアポ、工事現場の代理人見習い、ラーメン屋見習い。どれめ合わずに続かない。

最後の砦が、警備員だった。

20代、30代、広告代理店にいた頃は、自分が警備員になるとは思わなかった。

まあ、バブル期だから、給料そんな高いほうでもなかったけど、
そこそこ悪くなかった。

イベント、撮影、出張、経費は使い放題だったからね。

クライアントさま、様!!

バーを経営していた頃も思わなかった。

イベントを企画していた頃も思わなかった。

イベンターになって「小さいロックフェス」をやった時も思わなかった。

よもや警備員なんてさ。。。

ところが人生というのは、思いもよらない方向へ曲がる。

気がつけば六十を過ぎ、財布の中身を気にしながらコンビニへ行き、家賃の支払い日を計算している。

人生というのは、いつからこうなったのだろう。

もちろん、自分の責任だ。

誰のせいでもない。

店をやったのも自分だ。

失敗したのも自分だ。

無茶な挑戦を繰り返したのも自分だ。

だから文句は言えない。

だが、それにしても。

まさか、この歳になって職探しをするとは思わなかった。

求人サイトを開く。

何度も開く。

事務職。

経験者優遇。

営業職。

年齢制限。

管理職経験者歓迎。

パソコンスキル必須。

画面をスクロールするたび、自分の居場所が消えていくような気がした。

そして最後の方に現れる。

警備員募集。

交通誘導スタッフ。

未経験歓迎。

シニア活躍中。

週一日から可。

年齢不問。

なぜだろう。

そこだけが妙に優しい。

優しいというより、他に行く場所がない者を受け入れているようにも見えた。

私は画面を見つめた。

警備員。

本当にやるのだろうか、私は。

交差点に立って棒を振る。

工事現場で頭を下げる。

雨の日も風の日も外に立つ。

そんな自分の姿を想像した。

正直に言う。

嫌だった。

怖かった。

恥ずかしかった。

情けなかった。

人生の敗北者になったような気がした。

同級生たちはどうしているだろう。

定年まで勤め上げた者もいるだろう。

会社役員になった者もいるだろう。

孫と遊んでいる者もいるだろう。

私は何をやっているのだ。

六十を過ぎて、パソコンの前で警備員募集の画面を見つめている。

情けなくて笑えてきた。

だが、その時だった。

ふと思った。

本当に人生は終わりなのか。

終わったのは、昔の自分ではないのか。

広告マンだった自分。

店主だった自分。

イベントプロデューサーだった自分。

それは終わったかもしれない。

だが、人間そのものが終わったわけではない。

そう考えると、少しだけ景色が変わった。

警備員になることは敗北なのか。

それとも、新しい人生の入口なのか。

その答えはまだ分からない。

ただ一つ分かっていることがある。

何もしなければ、何も変わらないということだ。

求人画面の応募ボタンを見つめる。

指が止まる。

何度も止まる。

そして私は、小さくため息をついた。

人生の地平線は、歩き出した者にしか見えない。

昔、そう思っていた。

ならば今も同じだろう。

私は震える指で応募ボタンを押した。

警備員になったら人生は終わりなのか。

その答えを確かめるために。つづく。

仕事がない!そんなあなたが活躍する仕事、それが警備員!

ともあれ、つづく!!


-警備員ブルース日誌

執筆者:

関連記事

60歳から稼げる!未経験OKのシニア警備員という驚異の働き方とは

「60歳を過ぎても、まだ働きたい」「年金だけでは少し不安」――そんなシニア世代に人気なのが“警備員”という仕事です。実は、未経験・資格なし・体力に自信がなくても始められ、安定収入を得ている方が増えてい …

警備員の持ち物リスト|会社支給品以外に本当に必要なものは?現場目線で解説

警備員の仕事を始めると、制服や誘導棒、安全靴など、基本的な装備は会社から支給されることが多いです。しかし、実際に現場に出てみると、それだけでは足りないと感じる場面がかなりあります。 暑さ寒さへの対策、 …

no image

なぜ『警備員ブルース』を書けないのか

「今日は帰ったら一本書こう。」 そう思って家を出る朝がありながら、 帰ってくるとばたんきゅー・・・ 電車を乗り継ぎ、遠い建築現場へ向かう。 現場に着けば、一日中立ち続ける。夏は照り返し、冬は冷たい風。 …

no image

警備員が朝、仕事に行きたくない朝は、どうすればいい。60代の本音

「もう行きたくない」 朝、目が覚めた。 カーテンの向こうは明るい。 なのに体は動かない。 「ああ、辛いなー」 その一言しか出てこない。 警備員になって何年か経つが、この気持ちは何度も味わってきた。 警 …

警備員は大変なのに続けてしまう理由|辞めたいのに辞めない不思議

警備員の仕事は、正直に言えば楽ではありません。夏は暑く、冬は寒い。立ちっぱなしの日もあれば、神経を使いっぱなしで終わる現場もあります。それでも、不思議とこの仕事を続けてしまう人がいます。辞めたいと思う …

広告系プランナー、フリープランナーを経て店舗経営に挑戦するも失敗。
その後、地方ホテル支配人、配送ドライバー、飲食、施設警備、交通誘導など、さまざまな現場仕事を経験。
現在は警備の現場に立ちながら、警備員や現場仕事を人生の再起の入口として発信しています。
成功談だけではなく、落ちた側・働く側のリアルを知る者として、
再起を応援する「再起プランナー」として発信中。

カテゴリー

カテゴリー

人気記事