警備員ブルース|人生の波止場から響くもの

警備員になろうかな、と思ったらまず読んでください。 実体験者が現場で出会った人間たちを、本音で語る警備員の実情。

警備員物語100

【警備員物語88】警備員は人生の踊り場だ――若者からシニアまで、ここから再出発!

投稿日:

警備員という仕事を、どう見るか。

道路に立っている人。

工事現場で誘導棒を振っている人。

ビルの入口にいる人。

イベント会場で人を誘導している人。

それだけを見れば、ただの「警備員」である。

しかし、六年近くこの仕事をしていると、私は少し違う見方をするようになった。

警備員の制服を着ている人間は、必ずしも「警備員になること」を人生の最終目的にして、ここへ来たわけではない。

若い人もいる。

中年もいる。

私のような60代もいる。

前職も違う。

警備員になった理由も違う。

そして、この先へ向かう場所も違う。

だから最近、私はこう考えるようになった。

警備員は、人生の「踊り場」になれるのではないか。

階段を上ってきた。

疲れた。

一度立ち止まる。

息を整える。

後ろを見る。

そして、

次に上る階段を探す。

警備員という仕事には、そんな使い方があってもいい。

警備員は、決して「人生の終着駅」でなく!

59歳で警備員になったころの私は、こんなふうには考えていなかった。

むしろ逆だった。

仕事が見つからない。

応募しても落ちる。

年齢も上がった。

そして警備員になった。

当時の私の頭の中には、

「警備員になったら人生終わりだよ」

という言葉さえあった。

ずいぶん失礼な話である。

実際に警備員を六年近くやってきた今なら、そう思う。

しかし、当時の私は本気だった。

広告の仕事をしていた。

企画もやった。

自分で店も経営した。

地方の宿泊施設でも働いた。

いろいろやってきた。

その自分が、道路に立って誘導棒を振っている。

「ここまで来たか」

そんな気持ちだった。

だが64歳になった今、見方が少し変わった。

終着駅ではなかったのではないか。

私はまだ途中にいる。

そう考えるようになった。

警備員は「仕事がない」ときの入口になりやすい

警備員という仕事には、一つ大きな特徴がある。

未経験から募集している求人が比較的見つけやすい。

若い人だけの仕事でもない。

中高年になってから警備業へ入る人もいる。

もちろん、警備業法上の要件や会社の採用基準はあるし、「誰でも必ず採用される」という意味ではない。

私自身、警備会社の面接に落ちたこともある。

それでも、ほかの職種と比べたとき、

「もう一度働くための入口」

として警備員が候補になる人はいると思う。

私も、その一人だった。

仕事がない。

でも生活は止まらない。

家賃は待ってくれない。

飯も食わなければならない。

そんなとき、

「自分が本当にやりたい仕事が見つかるまで働かない」

などと言ってはいられない。

まず働く。

まず稼ぐ。

まず生活をつなぐ。

これは立派な再出発の第一歩ではないか。

若者にとって警備員は「夢までの途中」でもいい

警備員というと、年配者の仕事というイメージを持つ人もいるだろう。

しかし現場では、若い警備員を見ることもある。

若い人なら、警備員を一生の仕事にする必要はない。

もちろん、警備業界で資格を取り、責任ある仕事へ進んでもいい。

しかし別の夢があるなら、

その夢までの途中で警備員をやったっていい。

ミュージシャンを目指している。

役者を目指している。

資格試験の勉強をしている。

起業したい。

金を貯めたい。

次に何をするか考えている。

会社を辞めたばかりで、一度生活を立て直したい。

そんな時期に警備員をする。

私は、それを敗北だとは思わない。

むしろ、

夢を捨てないために働く。

そういう警備員がいたっていい。

昼間は誘導棒を振っている。

夜はギターを弾く。

資格の本を読む。

パソコンを開く。

何かを作る。

履歴書を書く。

警備員の制服が、その人の正体とは限らない。

制服の中には、まだ誰にも見えていない未来が入っているかもしれない。

40代、50代の警備員――人生が一度崩れても働ける

人生というものは、若いころに描いた通りには進まない。

会社を辞める。

リストラされる。

商売に失敗する。

転職がうまくいかない。

人間関係で疲れる。

家族の事情が変わる。

金がなくなる。

そんなことは起こる。

私自身、店を経営して失敗した。

その後も仕事を転々とした。

以前書いたように、一時は家賃を払う金さえなくなり、便利屋を始めたこともある。

だから分かる。

人生が崩れたとき、

「理想のキャリアを築きましょう」

などと言われても、それどころではない。

今日をどうする。

まず、そこなのである。

そんなとき警備員という仕事が生活を支えてくれるなら、それを使えばいい。

恥ずかしがる必要はない。

働く。

金を得る。

生活を立て直す。

そして次を考える。

警備員を、

人生を立て直すための仮設足場

にしたっていい。

工事が終われば足場は外す。

しかし足場がなければ、建て直せないものもある。

60代、シニアにとっても「これで最後」と決める必要はない

そして私自身の年代である。

60代。

定年後に警備員になる人もいる。

年金だけでは足りない。

まだ働きたい。

身体を動かしていたい。

社会との接点を持っていたい。

理由はいろいろあるだろう。

もちろん、

「警備員を最後の仕事にする」

という生き方もある。

それで本人が納得しているなら、それでいい。

しかし私は、

60代で警備員になったからといって、もう次がないとは思いたくない。

私は59歳で警備員になった。

そして64歳の今、

また次を探している。

マンション管理員にも応募した。

落ちた。

施設管理も考えている。

以前やった便利屋も思い出した。

自分で仕事を作ることも考えている。

そして、

『警備員ブルース』を書いている。

まだ成功していない。

「64歳から人生を変えました!」

などと胸を張れる段階ではない。

むしろ、

いま変えようとしている途中である。

だから、このブログを書いている。

警備員になっただけでは「再出発」にはならない

ここは大事なところである。

警備員になれば人生をやり直せる。

そんな簡単な話ではない。

警備員になった。

働いた。

給料をもらった。

また翌月も働いた。

一年経った。

二年経った。

五年経った。

それだけなら、

単に警備員として働き続けただけである。

それが悪いわけではない。

しかし、

「ここを踊り場にして、次へ行こう」

と思っていた人なら話は別だ。

踊り場に住み始めてはいけない。

私自身、少し住みすぎた。

59歳で警備員になった。

64歳。

六年目。

踊り場にしては長い。

そろそろ管理人さんから、

「坂田さん、ここは居住スペースじゃありませんよ」

と言われそうである。

警備員をしながら「次の準備」をする

では、何をすればいいのか。

これは人によって違う。

若い人なら、勉強してもいい。

資格を取ってもいい。

就職活動をしてもいい。

夢を追ってもいい。

中高年なら、それまでの経験を棚卸ししてみる。

警備経験を生かせる仕事を探す。

副業を試す。

小さな商売を始める。

シニアなら、身体への負担を考えながら、長く続けられる仕事へ移ることも考える。

大切なのは、

警備員を辞めてから準備するのではなく、警備員をやりながら準備することだ。

生活費を稼げている。

ならば、その時間を使う。

一日十分でもいい。

求人を見る。

本を読む。

一本書く。

一人に連絡する。

一つ調べる。

小さく試す。

それだけでも、

「ただ警備員をしている毎日」から、

「次へ行くために警備員をしている毎日」

へ意味が変わる。

警備員で身についたものは、次の仕事でも使える

警備員から転職しようとすると、

「自分には警備しかない」

と思う人もいるかもしれない。

しかし実際に現場を経験すると、警備員はいろいろなことをやっている。

知らない現場へ時間通りに行く。

その日の作業内容を把握する。

初対面の作業員と仕事をする。

歩行者へ説明する。

車両を誘導する。

周囲の危険を察知する。

異常があれば報告する。

怒っている人にも対応する。

雨でも暑さでも現場に立つ。

これらを「誘導棒を振っていただけ」で終わらせるのは、もったいない。

接客。

安全管理。

状況判断。

報告・連絡。

現場対応。

コミュニケーション。

警備員としてやってきたことを、次の仕事で通じる言葉に翻訳すればいい。

私がマンション管理員を考えたのも、そういう理由がある。

警備経験のすべてを捨てて転職する必要はない。

警備員だった自分を連れて、次へ行けばいい。

人生の踊り場では、上だけを見る必要もない

そしてもう一つ。

踊り場という言葉が好きなのは、

そこでは一度、

振り返ることができる

からである。

どこから来たのか。

何をやってきたのか。

何に失敗したのか。

何が得意だったのか。

本当は何をやりたかったのか。

私は警備員になってから、ずいぶん昔のことを思い出すようになった。

広告の仕事。

店。

イベント。

ホテル。

便利屋。

若いころの夢。

失敗。

家族。

故郷。

いろいろなものが戻ってきた。

そして、それらが今、

『警備員ブルース』の材料になっている。

人生とは妙なものだ。

前へ進むために、

一度、後ろを振り返る必要があることもある。

警備員の制服の中には「チャレンジャー」がいるかもしれない

道路に立っている警備員を見て、

「あの人は警備員だ」

と思う。

それは間違っていない。

しかし、それだけではないかもしれない。

あの若い警備員は、

来年、別の仕事を始めるかもしれない。

あの50代の警備員は、

商売をやり直すために金を貯めているかもしれない。

あの60代の警備員は、

定年後の新しい人生を探しているかもしれない。

もちろん、何も考えず普通に働いている人だっている。

それもいい。

ただ私は、

警備員の制服を着た人間の中に、

「次へ行こうとしている人」

を見つけたい。

それを私は、

チャレンジャーと呼びたい。

64歳、私もまだチャレンジャーでいたい

では、私はどうなのか。

64歳。

警備員六年目。

転職には落ちた。

金持ちでもない。

大成功しているわけでもない。

『警備員ブルース』を書いているが、まだ大きな収入にもなっていない。

だから、

「人生は何歳からでも成功できます!」

などと偉そうに言う資格は、私にはない。

ただ、一つだけ言える。

まだやめていない。

書いている。

考えている。

次の仕事を探している。

自分でできる仕事も考えている。

100話まで行こうとしている。

その先も考えている。

だったら、

私もまだチャレンジャーの端くれでいいのではないか。

成功者ではない。

再出発しようとしている人間である。

私はそのくらいの立場が、今はちょうどいい。

警備員は人生の踊り場だ

人生には、走る時期がある。

上る時期もある。

転げ落ちる時期もある。

そして、

立ち止まる時期もある。

警備員という仕事が、その立ち止まる場所になってもいい。

生活をつなぐ。

身体を整える。

過去を振り返る。

次を考える。

金を貯める。

勉強する。

書く。

挑戦する。

そして準備ができたら、

また階段を上ればいい。

若者でもいい。

40代でもいい。

50代でもいい。

60代でもいい。

警備員になったからといって、

そこで人生の行き先まで決める必要はない。

ここから、再出発!

私は今日も警備員である。

制服を着る。

ヘルメットをかぶる。

誘導棒を持つ。

現場へ行く。

だからといって、

私の人生の肩書まで「警備員」で固定されたわけではない。

何者になるのか。

まだ決まっていない。

むしろ、

これから決めればいい。

59歳で私は警備員になった。

64歳で、もう一度その先を考え始めた。

ずいぶん長い踊り場だった。

しかし、

まだ階段は残っている。

上なのか。

横なのか。

ひょっとしたら、いったん下りるのか。

それも分からない。

それでもいい。

大切なのは、

次の一段を、自分で選ぶことだ。

警備員は人生の終着駅ではない。

私にとっては、

人生の踊り場だった。

少し休んだ。

ずいぶん休んだ。

そろそろ行こう。

誘導棒で他人の進路ばかり案内してきたが、

今度は、

自分自身に「どうぞ!」と合図を出す番である。

ここから、再出発だ。

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再起プランナー。現在、現役警備員として働きながら、自らの再起を模索中!

元広告代理店勤め、フリーランスプランナーへ。店舗経営(DJバー)を経て、事業に失敗。

その後、地方ホテル支配人、配送、飲食、施設警備、交通誘導など、さまざまな現場仕事を経験する。

現在は交通誘導警備の現場に立ちながら、仕事の厳しさ、人間模様、収入、失敗談、そして現場で見つけた小さな希望を「警備員ブルース」に記録しています。

人生は、思いどおりにいかなくなってからも、続く。

失業した人、仕事に行くのがつらい人、60代からの働き方に迷っている人へ。成功者の上から目線では全くなく、現場で働く一人として、警備員という仕事の現実と、人生をもう一度立て直すためのヒントを届けます。

失敗しても、人生はそこで終わらない。
現場仕事を「人生の再起の入口」に変える、再起プランナーとして発信しています。

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