警備員物語100

【警備員物語23】ナットー隊長。お酒大好き、元薬剤師

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警備員の仕事をしていると、「この人がいると安心する」という人に出会う。

仕事が飛び抜けて速いわけではない。

声が大きいわけでもない。

目立つタイプでもない。

それでも、一緒の現場になると、なぜか気持ちが落ち着く。

私にとって、そんな存在がいる。

私は勝手に「ナットー隊長」と呼んでいる。

もちろん本名ではない。

ニックネームだ。

由来は単純である。

ある日、休憩時間に健康の話になった。

「納豆って毎日食べてる?」

そう聞くと、彼は笑って言った。

「もちろん食べてるよ。」

それ以来、私の中では「ナットー隊長」になってしまった。

実は彼、以前は薬剤師として働いていたという。

だから健康については詳しい。

それでも、妙な知識をひけらかすことはない。

むしろ、人の話を素直に聞く。

以前紹介した健康オタクの女性警備員、「ミス養生さん」の話も熱心に聞いていた。

「納豆はいいですよ。」

「クエン酸もおすすめ。」

「重曹も体にいいですよ。」

そんな話を、「へえ、そうなんだ。」と素直に受け止める。

元薬剤師なのに、決して偉そうにしない。

知識がある人ほど、人の話を聞くものなのかもしれない。

彼の良さは、それだけではない。

人当たりが、とても柔らかい。

誰に対しても自然体。

現場監督にも。

職人さんにも。

新人にも。

ベテランにも。

話しかけやすい。

だから、常駐現場の隊長を任されることも多い。

現場へ行くと、「ああ、今日はナットー隊長か。」

それだけで少し安心する。

指示は丁寧。

空気も和やか。

必要以上にピリピリしない。

もちろん、安全に対してはきちんとしている。

しかし、人を追い込むような言い方はしない。

だから現場全体が落ち着く。

私は思う。

警備の仕事は、人柄が出る仕事だ。

技術だけではない。

資格だけでもない。

一緒に働きたいと思われるか。

安心して任せられるか。

そこが大きい。

ナットー隊長は、それを自然にできる人だった。

先日も現場で顔を合わせた。

私は真っ先に聞いた。

「相変わらず納豆食べてる?」

すると彼は、いつもの笑顔で答えた。

「もちろん食べてるよ。」

それだけの会話なのに、なぜかこちらまで元気になる。

警備員という仕事は、暑さとも寒さとも戦う。

理不尽なこともある。

疲れることも多い。

そんな毎日の中で、「元気?」と気軽に声を掛けられる仲間がいることは、とてもありがたい。

私は健康法には、それほど詳しくない。

納豆がどこまで体にいいのか、医学的なことは専門家に任せるしかない。

けれど、一つだけ分かることがある。

笑顔で納豆を食べている人は、たいてい元気だ。

そして、その元気は周りにも伝わる。

警備の現場には、いろいろな人がいる。

ミスター完璧。

ラジオ平さん。

ミス養生さん。

無口の警備員。

そして、ナットー隊長。

一人ひとり違う。

だから面白い。

今日もどこかの現場で、ナットー隊長は休憩時間に納豆をかき混ぜているかもしれない。

私は心の中で思う。

「納豆、納豆。」

それだけで、何だか少し元気が出るのである。

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個人事業企画・再起プランナー。
現在、現役警備員として働きながら、自らの再起を模索中!

元広告代理店勤め、フリーランスプランナーへ。店舗経営(DJバー)を経て、事業に失敗。

その後、地方ホテル支配人、配送、飲食、施設警備、交通誘導など、さまざまな現場仕事を経験する。

現在は交通誘導警備の現場に立ちながら、仕事の厳しさ、人間模様、収入、失敗談、そして現場で見つけた小さな希望を「警備員ブルース」に記録しています。

人生は、思いどおりにいかなくなってからも、続く。

失業した人、仕事に行くのがつらい人、60代からの働き方に迷っている人へ。成功者の上から目線では全くなく、現場で働く一人として、警備員という仕事の現実と、人生をもう一度立て直すためのヒントを届けます。

失敗しても、人生はそこで終わらない。
現場仕事を「人生の再起の入口」に変える、再起プランナーとして発信しています。

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