警備員VS佐川急便 どっちが仕事がハードか稼げるか?

 

 

 

 

「人材不足で引く手あまた」と言われている業態が、警備員、そして、物流業界。特に警備員の求人募集は、どの求人メディアにも数多く掲載されている。同時に、佐川急便の求人広告もネット上に多く目にする機会が多い。実際どのくらいの仕事のキツさで、どのくらい稼げるのか?

その実態を実際に警備と佐川急便の業務委託で働いたことのある体験者へのインタビューから解明してみます。

警備員の月給、え?20万円以下って、何それ!

警備&佐川急便体験者Aさん(50代):

私は警備は2種類やったことがあります。最初は、土木や建築現場の交通誘導ですね。もともと自営業だったので仕事が暇な時に3か月ほど。それから次が施設警備です。半年ぐらいやりましたでしょうか?

まず、給料面の話から言うと、交通誘導警備は大体がアルバイトですね。現場経験を1年から3年以上積んた人が社員となって事務所のマネジメントをやるのですが。それ以外は、アルバイトですね。日勤が9000円、夜勤が11000円ぐらい。日勤は土木・建築の場合だと月から金の現場が多く、週5日ですね。土曜日の現場もあったりするので、月間で20日ちょいですか。しかし、土木現場を割り当てられて雨が降ったりすると工事が中止になるので、その日は給料が出ません。となると、すんなり土木現場だけを割り当てられると月給が20万円を切ってしまうことがありました。やってられないなぁ、と思いましたね。ただ、中にはどん欲に稼ぎたいという人もいて、日勤夜勤を通しで入れて稼いでいる人もいましたね。その人はおそらく月間25万円ちょいではないでしょうか?体力的にキツきついのでそれはやりませんでした。

警備員の意外に忙しく、ハード!

次にやったのは商業施設の施設警備。こちらは実は当初は、施設警備だと屋内なので、土木現場の交通誘導よりは楽だと思っていたのだが、とんでもない!

防災センターの仕事なのですが、仕事は大きく下記の4つ。
●防災センターでのモニター監視
●建物内の巡回
●駐車場の誘導・管理
●お客様向け案内所(インフォーメーションセンター)の4つに分かれており、それを5名でローテーションで回すというもの。

ともかくこれらすべてが、非常に気を使い、疲れるのです!
建物巡回は、当初施設全体の順路を覚えるために、新人は最初は一日の全コースを一人で回るのですが、朝に1時間半、昼に30分、午後に1時間を1回、30分を4回と合計7回のコースを回るのですが、そこには上り下りの階段があり、その途中で朝は電灯の消灯、午後は点灯のチェックをしたり、非常階段の戸締りをチェックしたり、配電盤でのスイッチを朝、午後と指示書に従って入れ替えなければならないのです。また、行く場所良く場所にはドアのカギがあり、そのカギの形や順番も覚えていかなければなりません。ともかく、覚えることが多く、また、体的にも実にハード。歩く時間は一日5時間弱で、距離にするとおそらく14キロぐらいではないでしょうか。

私が配置された建物はまた特に古くて大型の建物で、また昔の構造であるため、順路がいびつ迷路なようであったりします。さらに建物内にいる管理組合や役職の方の顔を覚えて、きちんと挨拶しなくてはならない。全く気の抜けない仕事でありました。

施設警備員の長時間労働は、佐川急便に準じて長い!

施設警備員の労働時間はともかく長い!日勤では、朝9時から夜20時までの11時間拘束でした。夜勤は21時から朝の9時までの12時間拘束。しかしながら、基本は現場には30分前に入るのが決まりで、制服に着替える時間を考えると仕事がはじまる時間の1時間前の現場到着が必要です。となると、日勤では実際のところ、11時間+1時間で、12時間。夜勤では12時間+1時間で、13時間の拘束時間となります。もちろん早めに入った1時間の時間には時給は支払われません。実質サービス残業といえるでしょう。

それに加えて当務という24時間の拘束時間帯があります。例えば、朝9時から翌朝9時までの24時間ですね。これも出勤前の1時間を加えると25時間拘束となります。そして、当務となると仕事のローテーションは、日勤のモニター監視、巡回、駐車場の誘導・管理、お客様向け案内所に加えて、夜の巡回、朝方の配電盤のスイッチと品目が加わり、さらに覚えなくてはならないことが増えてゆきます。

ともあれ、施設警備員は日勤であるとほぼ12時間労働と考えた方がいいでしょう。

佐川急便の方が労働時間は長いのだろうが。。。しかし

比して、佐川急便は30年前のバブル期の頃は年収1千万がザラにあったといわれていますが、労働時間は朝6時から夜中の12時もザラ。しかして、現在では「佐川男子・佐川女子」と言われるような「元気で明るい職場」を意識したスローガンのもとに、勤務体制は軽減化されています。
それでも、やはり、私が1年ほど勤めた業務委託で個人事業なので比較的自由出勤が許される場合でも、朝8時~9時に出勤した場合でも、仕事が終わるのが21時~22時でした。およそが13時間から14時間でしょうか。

というわけで時間的に考えると、佐川急便の方が、まあ、長いとはいえます。

が、やはり稼ぎに徹底的に違いがあと言えるでしょう。

まとめ

歩く、立つ、見る、体の基本を駆使する警備員の仕事は、見た目以上にハードである。また、警備員の給与は時給の積み上げ式になっており、また、施設、交通警備問わずに意外に体力を消耗する。時間の積み重ねなので所得を倍加することは不可能である。最低賃金が20万円前後だとするとスキルを上げて資格を取っても、30万にたどり着くには時間と努力、そして辛抱が必要である。

比して佐川急便は、明らかにモノを運ぶ=物流の仕事ではありますが、スキルが上がると、運ぶ物量を増やすことができます。スキルと効率化の改善は、自分の学習や経験次第で向上することがでる。物量が増えると、その分だけ所得が増える。

佐川急便は、物の量、車が走る量、人が走る量、効率化の量の掛け算で、所得を格段に上げることができる。もちろん、体力、車の運転、等、それぞれの人の向き不向きがあるが、もし、野望を持ってお金を稼ぐのならば、社員、あるいは、自営業としての業務委託のドライバーを問わず、佐川急便の宅配ドライバーを選択する方が無難と思われる。

ただし、前提条件としては、俊敏な動きが不可能な年配・シニア層がいきなりはじめることはこんなんではあろう。

要は、じっくりやるか、年齢を問わず体を効率的に駆使するか、これらの選択の問題であろう。

ともあれ、多めのお金が欲しければ佐川急便、これだけは結論として言えるだろう。


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